三遠南信徹底解剖
見どころ・聞きどころ・体感どころを一挙大公開!
三遠南信を歩いて、ふと耳にした話、目にした話をご紹介。井戸端会議のネタにも最高! 【話題ネタ満載】 さんえんなんしんに来たら、地元の人に気軽に声をかけてみて!話していると、不思議な話、面白い話、感心してしまう話があちらこちらで聞くことができますよ。 例えばどんな話かって?? ・・・それでは沢山ある中から、ここで少ぉ〜しだけ、ご紹介しちゃいましょう。 |
● 山奥に塩水が沸き出る! | |
その理由は未だに謎。。。 長野県大鹿村※1は南アルプス赤石岳の麓国道152号沿いにあります。この村は周囲を山々に囲まれた標高750m、もちろん周りに海辺などがあるわけも無い場所。ところがここに、海水と変らない濃度4%の塩泉が湧き出ているというからびっくり仰天。その場所を拝見させてもらうと、源泉を守り続けている老舗旅館「山塩館」脇の小道を入った川のほとり。なんとも普通の場所にさり気なく湧き出ているのがまた余計に興味をそそります。 塩水が湧き出る理由は、「岩塩が存在するのではないか」とか、「地底に塩湖があるのでは…」とか、数々の研究者たちの説が挙げられていますが、実は未だに塩水が湧く理由は確定されていないそう・・・。 (※これらの諸説解説は大鹿村の資料館「ろくべん館」※2に詳しく紹介されています)。 しかしここの地名も鹿塩(かしお)という名前が付けられている他、付近には塩の付く小字名が10個所もあることをみても、かなり昔から塩との結びつきが深い土地柄だということは想像できます。とりあえず、今のところは「弘法大師が杖でついたら湧き出した」という説話で納得しておくことにしましょう。 こうして汲み上げられた幻の塩水は現在、大鹿村にある「塩の里」で製塩されています。その作り方は、明治に徳島から岩塩採掘のために訪れた黒部銑次郎氏が、スイス製大釜で源泉を煮詰めて山塩を作った方法。 大釜に入れた塩水を7時間ほど煮詰めて、塩泉20リットルから塩600グラムが作られるといいます。まさに時間と手間の結晶。かなり貴重な塩であることは言うまでもありません。この神秘の山塩※3は、「塩の里直売所」で手に入れることができますよ。 |
※1大鹿村は春にはピンクと紅色の桃の花があちらこちらで見られます。 ※2大鹿村の歴史、文化を知りたい人は「ろくべん館」がお薦め。物知り館長が細かく説明してくれますよ。 ※3味わい深い山塩は焼き魚にひとふり、枡酒のお供に…もぴったり。 |
● 蜂の調教師 | |
調教師と言って思い浮かべるのは、おサルさんやトラ、ゾウなど動物たちの調教師ではないでしょうか。それが蜂の調教師とは…? 長野県中川村の「ハチ博物館」を訪ねると、胴まわり660pの世界最巨のハチの巣※4、前長410cmの世界最長のハチの巣※5など、数々の芸術アートを見ることができます。特に注目したいのは巨大蜂の巣の真中には「ハチ」と字が描かれていること。聞くとなんとこれはハチ研究家・富永朝和さん※6がハチを調教して、2年がかりで作らせたものだそうなのです。 キイロスズメバチは1匹の女王蜂を中心に集団生活を行い、普通は30〜40センチくらいの卵型の巣を作るります。自然界では女王蜂同士が一緒に一つの巣を作ることは無いのですが、それを富永さんは長年の研究から蜂の習性を知り尽くし調教することで、複数の女王蜂と通い蜂たちによる共同作業を実現させたのです。 「10匹の蜂に字を描くことを教えても、描くようになるのは2匹ほどですね」と話す富永さん。巨大な蜂の巣の完成は、蜂の心を知り尽くしていなければとても為し得ない技だと実感させられます。 ※4世界最巨のハチの巣 ※5世界最長のハチの巣 ※資料/長野県中川村 ハチ博物館パンフレットより |
※4世界最巨のハチの巣 ※5世界最長のハチの巣 ※6富永朝和さん |
● 道路が通らない駅 | |
駅といえばそこに行き交う人がいるから駅があります。人が行き交うのであれば、当然道も通っているはず…と考えますよね。ところが、その常識をうちやぶる場所がこの三遠南信にあるのです。それが静岡県水窪町の小和田駅。 もうお気づきの方も多いかもしれませんが、ここは平成5年皇太子&小和田雅子様のご成婚で一躍脚光を浴びた小和田(こわだと読みます)駅です。 JR飯田線の無人駅で、この駅には車でたどり着くことはできません。電車を利用する以外は、塩沢という集落から1時間ほどかけて歩いてくるしかないのです。「そんな寂しいところでは、さぞかし荒れているのでは?」と思うかもしれませんが、この駅に降り立ってみるとなんだかホッと心が温かくなって優しい気持ちになれるから不思議です。確かに駅舎は古いですが、テーブルには旅に訪れた人たちが想いを綴ったメッセージノートが14〜5冊※7並んでいました。 さらに小鳥のさえずりに誘われて付近を歩いてみると、雄大な天竜川の流れに沿って遊歩道が続いています。そして小脇に咲く長身のユリの花が折れないように紐で支えられていましたD。 人通りは少ないですが、小和田駅に唯一残るお宅とさらに塩沢集落の数件のお宅へ新聞や郵便を届けるために、新聞配達やさんや郵便やさんが小和田駅を降り立ち、日々この道を行き来していると聞きました。温かな気持ちを感じたのは、この駅、この道がいつも人と人を結んでいる大切な場所だからなのでしょう。 |
※7旅のノート ※8ユリの花 |
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