三遠南信地域連携ビジョン

山 中山間地域の活性化

基本方針4 中山間地域を活かす流域モデルの形成

自然資源の循環や流域での定住化等の推進を図り、中山間地域を活かした新しい地域発展のための流域モデルの形成を目指します。

推進方針1 自然資源の循環モデルの形成

森林資源等の自然資源の維持・保全に向けて、市民団体等を交えた広域的な環境保全活動等を進めるとともに、地域の自然資源を活用した独自の循環型モデルの構築を図ります。


①健全な水・物質循環を目指した環境保全活動の推進
 流域圏の健全な水・物質循環を構築していくため、水資源確保や水質改善活動等の広域的な連携活動を進めます。

【事業イメージ】
  • 産・学・官・民が参加した県境を越えた「健全な水・物質循環」の構築に向けた共同プロジェクト(遠州灘海岸の侵食防止、天竜川ダム再編事業、設楽ダム建設事業、浜名湖・三河湾の水質浄化活動、住民参加型の水質浄化に関する行動計画づくり等)の推進
  • 三遠南信地域の環境保全・保護団体等の情報交換
②森林資源の有効活用
 森林資源に着目し、新しい技術導入等を図りながら、新たな事業や適正な森林管理を行える環境整備を進めます。

【事業イメージ】
  • 上下流域の住民の協働による森林の保全
  • 生産効率の高い伐採・搬出技術についての情報交換、地元企業や大学との共同研究
  • 公共事業等を契機とした森林資源の有効活用事業(木質バイオマス利用等)
  • 環境共生型住宅の普及啓発
  • 公共事業への地域材の積極的な活用、地域材を利用した住宅建築に対する支援制度の充実化による地域材の市場開拓
  • 県境を越えた林業関係者の情報交換による広域的な森林管理、森林資源活用
  • 地域文化と連携したチェンソーアート活動の広域化
  • 間伐など森林整備の財源確保を目的とした森林税の有効活用
  • 国、県、市町村の連携による鳥獣害対策の実施
③新エネルギー導入の推進
 地域の生活環境、自然環境、景観等に配慮しながら、自然エネルギーの導入を推進するとともに、バイオマスを利用したエネルギー開発に関する研究開発を進めます。

【事業イメージ】
  • 地域の環境・景観等に配慮した太陽光発電、風力発電等の自然エネルギーの導入
  • 家畜排せつ物、林産廃棄物、下水汚泥等を活用したエネルギー等の研究開発

推進方針2 流域定住推進モデルの形成

流域圏の豊かさを活用した流域定住を促進するため、下流域都市住民の中山間地域定住要望と上流域の受け入れ供給を円滑に結びつける体制を検討し、集落の生活及び居住機能を確保するための公共サービスの強化や、高原新定住ゾーンにおける流域定住推進モデルの構築を図ります。


①流域定住推進体制の整備
 下流域都市住民の意向と上流域の状況を把握し、流域定住を推進する地域モデルを構築するため、上流域と下流域の自治体が連携して流域定住の推進体制の整備を進めます。

【事業イメージ】
  • 流域定住や二地域居住を進めるための総合的な相談窓口の設置、居住体験が行える施設の整備、生活に関連した情報を円滑に提供できる仕組みづくり
  • 受け入れ地区住民の意識調査等による空き家・貸し家・遊休施設等の施設利用情報のデータベース化
  • 長期滞在者向けの旅館利用や滞在施設(廃校、旧役場、空き家等)の整備
  • 空き家、貸し家、遊休施設等の仲介に対する不動産会社等の民間企業への協力要請
  • 耕作放棄地や遊休施設に関心を持つ企業への施設・用地紹介や情報提供
  • 遊休施設を社員保養施設として利用したい企業への支援
②中山間地域での居住環境の確保
 中山間地域での生活及び居住機能を確保するため、集落間を結ぶ生活道路、情報基盤などの公共施設整備を検討するとともに、医療、教育などの基礎的な公共サービスを充実します。

【事業イメージ】
  • 三遠南信自動車道のインターチェンジと周辺集落を連結するアクセス道路、生活道路の整備
  • 情報化時代に適合した情報基盤の整備
  • 基幹集落を中心とした生活機能(医療、教育、公共交通機関等)の整備と強化
  • 地震など災害への対応を考慮した集落の連携
  • まちづくりの連携に向けた上下流域での友好地区の募集と活動支援